マンションの防犯対策
マンションは本当に安全なの?
マンションは、鉄筋コンクリート造など頑丈な構造を有する物が多く、エントランスから先は同じマンションに住む住人以外あまり立ち入らないうえ、2階以上なら地上から離れているため分離されている感覚になる事から、安心感があります。
また、オートロックがついているマンションの場合は、エントランスからインターフォンを押し、住人に開けてもらわなければ中に入ることが出来ません。各戸の入り口も主に廊下面に接した窓と玄関、そしてベランダと少ないことから、泥棒が侵入しにくい作りになっています。
ですが、だからと言って空き巣が全く狙わないという事ではありません。平成27年度の侵入窃盗認知件数のうち、18%はマンションでの被害となっています。地上に面した1階のベランダから侵入したのだろう、オートロックがないマンションの被害では?、と思いがちですが、低階層・オートロック無しの建物と比べて発生率は違えども、オートロック・上層階の場合も空き巣被害は有ります。
そこでマンションで出来る防犯対策と、危険個所についてご紹介いたします。今一度、お住いのマンションの防犯設備・環境についてチェックしてみてください。そして戸建て同様に、狙われにくい・侵入されにくい対策を行いましょう。
マンションの侵入経路と手段
防犯対策を行う上で知っておきたいのが、泥棒が侵入してくる経路と手段です。住宅侵入窃盗・平成28年度の経路と割合の一覧は以下。
経路(戸建てを含む)
- 窓からの侵入:59.5%
- 表出入り口:36.9%
- その他の出入り口:4.3%
- その他:0.1%
マンションを対象とした空き巣の侵入手段
- ガラス破り:21.4%
- 無施錠:44.8%
- 錠破り:0.7%
- 不正開錠:31.7%
- その他:1.4%
鍵の閉め忘れに注意!
マンションと戸建て住宅の侵入手段を比較すると、戸建ての場合はガラス破りが多く、マンションの場合は無施錠が多くなっています。マンションは先ほども述べた通り、油断が生まれやすい環境である為、誰も来ないだろうと窓やベランダの鍵を閉めずに出かけてしまったり、オートロックがあるからと玄関の鍵を閉めない場合もあります。
ピッキング・サムターン回しに注意!
また、不正開錠も多くなっています。不正開錠とは、昔からよく聞く空き巣の代名詞「ピッキング」を使った侵入や、ドアにある覗き穴やドアポストから工具を差し込んで内側の鍵を開ける「サムターン回し」などの手口の事を言います。古いマンションや団地の場合、鍵の種類が古いまま交換されずに使用されている事があり、そういったピッキングに弱い鍵やサムターン回しがしやすい状況を狙った空き巣犯も居ます。
賃貸の鍵は大丈夫?
特にマンションは、賃貸で契約される方も多いでしょう。その際に、大家さん・管理会社が鍵を交換します。ですが、その鍵の種類はこちらから決める事が出来ない場合が多く、大家さんが持っている鍵の在庫を使いまわしているケースもあります。また、オートロックと連動している場合は、鍵の種類を選ぶことも難しくなります。
後にご紹介する防犯対策をしっかり行い、不正開錠から守るようにして下さい。
安心感から生まれる油断が危険!
犯人は、マンション内に出入りする住人・業者を装って入り込んできます。オートロックも他の住人に続いて入ったり、配達業者やセールスマンを装って堂々とインターフォンを押して開けてもらう事もあります。また、非常階段や建物回りにある物置・電柱・隣の建物からベランダに入ってくる、ベランダ伝いに侵入する、屋上から降りてくるケースもあります。角部屋・上層階であっても油断は禁物!
泥棒の侵入を防ぐ対策
戸締りをする
基本中の基本ですが、鍵は小まめに閉めるという事を徹底しましょう。
窓ガラスに防犯シートをつける
廊下の窓、またはベランダへ侵入してきた犯人が窓ガラスを割って内側の鍵を開けようとします。鍵の周りのガラス部分だけでも、防犯シートを貼る事で割れにくくなりますので、賃貸の方も是非お試しください。
窓に補助錠を取り付ける
補助錠というのは、窓の上下に取り付ける鍵のことで、万が一窓を割られて鍵を開けられたとしても窓を固定させておくことができます。人が入れるほどのガラスを割る時間、補助錠を壊す時間を考えて諦める犯人も多いので、こちらも是非取り入れてみましょう。ちょっと換気したいといった際も、換気できる幅で固定できるものもあります。
玄関の鍵をディンプルキーに交換する
ピッキングやドリル攻撃に強いディンプルキーに交換する事でひとまず安心できます。加えて、サムターン回しは内側の鍵を開けようとする手口ですので、サムターンをカバーするような物を取り付けるか、サムターン回し対策が施された製品に交換しましょう。覗き穴にカバーを付けることもオススメです。
さいごに
マンションの場合は、戸建て住宅と比べて自由に設備を変えることが出来ないかもしれませんが、出来る事から1つ1つ対策を行う事で、狙われにくくなります。マンションにすでにある防犯カメラ・オートロックと合わせて防犯対策を行う事でよりセキュリティ性も上がりますので、是非取り入れていってみてください。