戸建ての防犯対策
一戸建て・一軒家はマンションに比べて出入り口となるドアの数、窓の数が多いです。マンション・アパートの1階部分もそうですが、人が出歩いている道と隣接しているので、侵入もしやすくなります。実際に、平成27年度の侵入窃盗認知件数のうち、約42%が戸建て住宅、18%がマンションでの被害でした。
「うちには高価な物がないので泥棒も狙ってこないよ」という油断は危険です。
高価な物があるとわかって侵入する泥棒はプロの窃盗団である可能性が高く、そうした場合は更に強固な対策が必要になるのですが、個人で動いている泥棒の場合は入りやすそうな家を狙い、たとえ数千円であっても盗んでいきます。またお金だけではなく、パソコン・アイパッド・ウォークマン・カメラなどの売ってお金になる物も狙われます。
マンションの場合、管理組合・管理会社がオートロックや防犯カメラといったセキュリティ設備で対策している事が多いですが、戸建て住宅の場合はすべて自分で防犯対策をしなければなりません。
一体どんなことから始めて行けばいいのか、とお悩みの方に戸建て住宅の防犯対策についてご紹介していきたいと思います。
戸建ての侵入経路と手段
防犯対策を行う上で知っておきたいのが、泥棒が侵入してくる経路と手段です。平成27年度の経路と割合の一覧は以下。
経路
- 窓からの侵入:55.2%
- 表出入り口:17.1%
- その他の出入り口:18.5%
- その他:9.2%
手段
- ガラス破り:36.9%
- 無施錠:46.5%
- 錠破り:2.8%
- 不正開錠:0.2%
- 合鍵:1.7%
- その他:10.3%
こうしてみると、鍵が閉まっていない窓・玄関が最も危険ということになります。出かける時に玄関の戸締りはもちろんのこと、換気目的で開けている窓、特に2階の窓もしっかり鍵をかけておきましょう。ゴミを出しに行った5分くらいの内に泥棒に入られたケースもあります。僅かな時間でも戸締りはしっかり行いましょう。
ですが鍵をかけていれば安心ということにはなりません。窓のガラス破りも多く、また人が家の中にいる・夜寝ている時でも気づかれないように入ってくる忍びこみ・居空き・強盗もいます。ですので、以下のような防犯対策も合わせて行うことが重要になります。
泥棒の侵入を防ぐ対策
窓ガラスに防犯シートをつける
窓が最も狙われることから、ガラスを強化する必要があります。ですが、一般的な住宅に取り付けられている合わせガラスから、金槌・ドリルにも強い防犯ガラスに交換するとなると費用が高くなります。そこで、後から貼り付けることができる防犯シートを利用しましょう。完全に割れなくなるわけではありませんが、侵入までに時間をかけさせることができます。
窓に補助錠を取り付ける
窓にぜひ取り付けてほしいのが2つ目の鍵。いまある鍵とは別で、窓の上下に鍵を取付けます。この鍵はダイヤルで回すタイプと、しっかりと鍵穴がついているタイプがあり、鍵穴がついているほうが防犯性は上がります。人は入れないけれど換気はできるぐらいの幅で補助錠をロックできる物もありますので、ぜひ活用してください。
窓に面格子を取り付ける
1階の窓に面格子が無い場合は、取り付けるだけで侵入のしづらさが上がります。より頑丈なステンレス製を選ぶとなお良し。
玄関の鍵をディンプルキーに交換する
続いては玄関の鍵です。ピッキングやサムターン回しといった特殊な技法を用いた泥棒は少ないですが、錠前を破壊する荒っぽい泥棒もいます。ピッキングやドリル攻撃に強い鍵へ交換し、鍵は2つ取り付ける事が望ましいです。そうすることで、防犯性が上がるほかに、「この家は防犯対策がしっかりしているな」と見た目から威嚇することができます。
泥棒から狙われにくい環境づくり
見通しをよくする
家の周りにある高いブロック塀、実は防犯対策としてはよくありません。塀は簡単に乗り越えられます。その他にも植木・木なども、泥棒行為の目隠しとなり足場にもなります。できるだけ、見通しをよくするということが重要になります。
家回りを綺麗にする
家の周りに物がたくさんあり、ゴチャゴチャしている場合、泥棒からすると隙の多い家と捉えられます。家の周りはスッキリとさせ、足場になる物は片づけておきましょう。
防犯意識の高さをアピールする
人が通ると点灯するセンサーライト、センサーアラーム、人目につかない家の裏手・横には足音がよく聞こえる防犯ジャリを敷く、防犯カメラを設置する、といった対策も大変有効です。ダミーでもいいので防犯カメラを設置すると、見た目からも防犯意識の高さがアピールできます。
さいごに
絶対に泥棒に入られない!という防犯対策はありません。ですが、「侵入までに時間がかかる」対策を行う事で、泥棒から狙われにくくなりますので、出来る事から1つでも始めていってみてください。